足が速い人って学校の人気者ですよね。。。運動会や体育祭では、ヒーローのように注目されます。
では、学校で足の速かったヒーロー達は、大人になっても速いままなのでしょうか?隠された共通した特徴を解説していきます。
トップスプリンターである条件とは
現在の日本を背負うスプリンターたち
2017年に、100m日本人初の9秒台が生まれ、一台ニュースとなった事は記憶に新しいかと思います。その後も9秒台を出す選手が現れ、日本の短距離走は世界的にも注目されています。
そんな注目されつつある陸上短距離ですが、現在のトップスプリンター達は、幼い頃から足が速く、学校のヒーローだったのでしょうか?
隠された真実
結論から言うとトップスプリンター達は、幼い頃から「特別足が速かった」人はほとんどいないのです。中には、小学生の頃から全国大会に出場して、、、といったエリート街道を進んできた人もいますが、ほとんどがそうではないと言う事が、最近分かってきました。
最近の調査によると、小学校の頃から競技会に出場した経験のあるトップスプリンターは1割程度。また、中学校で全国大会に出場した経験のあるトップスプリンターは4割以下と言う事が分かってきたのです。
そうです!現在のトップスプリンター達は、小学校・中学校の頃から全国大会はに出場する事は愚か、陸上自体を行っていなかった可能性があると言う事です。
幼い頃は何してた?
それでは、トップスプリンター達は何をしていたのか気になりますよね?
では、実際には何をしていたのか・・・それは、サッカーや野球など、違うスポーツを行っており、中学や高校の途中から陸上に転向してきた人が7割以上となっています。しかも、サッカーや野球のチームに所属したり、習い事などを掛け持ち「複数種目」のスポーツを行っている事が明らかになってきたのです。
そう!この「複数種目」こそが隠された特徴なのです!
“将来のヒーロー”になるため
小学校や中学校では、本当の速さは分からない
これは先ほども説明したように、小学校や中学校で足が速い事は、将来のトップスプリンターに育つのかといった指標にはなりません。
これには「相対年齢効果」があるからと言われています。
相対年齢効果って何?
相対年齢効果とは、幼い時期に見られる現象で「4月生まれの子供」と「3月生まれの子供」では、運動能力などに大きな差が出てしまう事を言います。
幼い頃の成長は大人とは違い、急スピードで成長をします。子供の頃の1年間は、全くの別人へと変化させるには、容易な時間なのです。そのため、4月生まれと3月生まれでは約1年間の時間が離れていますので、相対的に4月生まれの子供の方が早く成長をし、大人へと近づいて行くわけです。
これは、スポーツの成績にも現れます。当然スポーツは体を使う事を基本としますので、大きな体を持つ子が有利となります。「走る」「投げる」「跳ぶ」といった単純な動作では、最もその差が出やすいと言われているのです。
現に、小学生の陸上全国大会の短距離走では、出場者の8割は4月から6月生まれの子であると言われています。
相対年齢効果っていつまで続くの?
一般的に年齢を重ねればこの効果は薄れていきます。そして、中学生や高校生あたりまで、この効果が影響すると言われています。
確かに小学校時代などを思い返してみれば、足が速い子って大きな子が多いような、、、。
この事を考えれば、小学校時代や中学校時代で、将来の足の速さは決まらないと言うことは納得いただけるのではないでしょうか?
まとめ
これまで説明してきたように、幼い頃に足が遅いからと言って、将来も足が遅いと決まった訳ではありません。ただ単純に成長が遅く、これから大花を咲かせる事になるかもしれないのです。また、幼い頃に足が速い人が、トップになれないという訳でもありません。このまで以上に、速くなるように努力を重ねれば良いのですから。
そして、最も重要になってくるキーワードが「複数種目」です。幼い頃は、何か1つを極めるのではなく、たくさんの運動経験があった方が良いという事ですね。
そして「この事を親御さんが知っている」と言う事が最も重要かもしれません。
体の小さな子は、目の前の結果に落胆する事があるかもしれませんが「あなたは大丈夫!将来はきっとみんなに追いつけるよ!」と言ってあげる事ができるのは、親御さんしかいないのですから。。。