本当に仕事に行きたくない時は休むことすらできないって病気だと思う




新卒で入社した会社は、電話で保険営業を行う会社だった。

同年代の人が多く、同期も山ほどいたため、華々しい新入社員になったつもりだった。研修を経て、実際の業務が始まると、毎日知らない人へ電話を掛けた。

「今使っている自動車保険と比べてみてください。すぐにお見積もりができますよ。」ありきたりな言葉を何度も繰り返し発した。

そのうちに自分が何をしているのかわからなくなってきた。慣れない仕事からのストレスと、何をやっているんだろうという疑問とで、仕事に行きたくない日ができるようになった。

先輩はあたたかく、支えてくれようとしたことや同期と励ましあっていたことがあり、なんとか1か月続けてみたが、毎日行きたくない、どうして電話をかけなければならないんだと、深く考え、落ち込む日が増えてきた。

毎日同じことを繰り返し行うのを好む人もいるとは思うが、私には合っていないことに、入社してから気付き、夜寝る前には、「寝たら明日は仕事に行かなくてはならないんだ。」と思うと寝つけなくなった。

朝は、「どうして仕事に行かなくてはならないんだ。」と泣いてしまう日もあった。落ち込みがひどくなり、精神的にも体調的にも変化が見られてきた。

純粋に仕事内容が自分に全然合わなかったこと

相手が望んでいないものを押し付けるような電話営業

福祉を志して、福祉を学んできた私がテレマーケティングの仕事に就くなんて無謀だった。

10時から20時まで電話をかけ続け、自動車保険の営業をした。相手が望んでいるものを与えられるように福祉を学んでいたが、相手が望んでいないものを押し付けるような電話営業は、私には全く合わなかった。

何のために働いているのだろうかと疑問

件数をとれたときも全然うれしくなかったし、むしろこれを何年も続けている上司や先輩は、何のために働いているのだろうかと疑問にも思った。

毎日職場へ向かう電車に乗ると、のどが塞がるような感覚になり、職場の最寄り駅に就くと、声が出なくなった。

電話をするという行動に拒否反応

大げさでもなんでもなく、電話をするという行動に拒否反応を示し、それは体への異変で気づいた。それでも仕事は休んではいけないものと親から教えられていた私は、仕事に生き続け、毎朝駅の長いエスカレーターをのぼりながら、ここから落ちたら少しは楽になるのだろうかと考えるようにもなっていた。

声が出ない私は仕事もできなくなってきて、電話営業以外の業務を担ったが、肩身の狭い思いをし、それもストレスだった。

私が仕事に行きたくない時の原因は、単純に業務内容が自分に合わなかったこと。

話せる人を見つけることは、解決手段になる

尊敬する教授に連絡

この件に関しては仕事を辞めるところまで行ったので、その経緯をまとめると、まずは大学時代の尊敬する教授に連絡を取った。

要は会社の先輩に話す、同期に愚痴る、おいしいものを食べる、少し休むなどの方法では、どうしようもないところまで落ち込みが見られたからだ。

その教授はもちろん自分が専攻していた福祉に通ずる人で、現状を詳しく話した。教授は、「自分は医師ではないから診断はできないけれど、たぶん鬱だと思うよ。」と言った。

自分ができないんだと思い込んでいた

更に、仕事を辞めてはいけないと強く思い、自分が悪いんだ、自分ができないんだと思い込んでいた私に、「仕事をやめなさい。」と言ってくれた人だった。

私ははっとして、自分の状況と気持ちに対して、初めて客観的な見方をできた。これは、たださぼりだいとか思っているだけではないんだ。

やめてもいいんだ。ととても気持ちが軽くなった。

辞める労力も自分には多大なストレス

しかし、辞める労力も自分には多大なストレスで、それなら続けた方が良いのではないかと思ったが、今後のことも考えて、辞める決断ができた。

誰かに話をすることは自分も得意ではないが、理解のある人に相談することで、解決できることはあると、実体験を持って感じている。

それは必ずしも知っている人とは限らない。

むしろ顔が見えない方が話しやすいこともあると思う。話せる人を見つけることは、解決手段になると思う。

仕事に行きたくない時のまとめ

必ず休むこと。自分と向き合うこと。人に相談すること。私は親からの教えもあり、「仕事は休んではいけない」「新卒で入った会社は3年続けなくてはならない」と思い込んで生きてきたところもあった。

また、もともとまじめな性格もあり、道を踏み外すようなことはできなかった。私は精神的に落ち込み、体調的についていけなくなったことから、他人に助けを求めた。

その人は欲しい言葉をくれて、私は「仕事を辞める」という選択肢があるということ、それが間違っていないことに初めて気づけた。

他人に相談することは苦手な人も多いと思うが、知っている人に話さなくても、自分を助けてくれる人はたくさんいると思う。

自分の現状を話して、楽になれるのであれば、それは積極的にしたほうがよいことだと感じる。

大げさな理由がなくても、ちょっとしたことで仕事に行きたくない日があるのであれば、休んでも良いと思う。

その1日の休みが次につながるのであれば、どんどん休んでほしい。私もどうしても仕事に行きたくない日、限界がきている日は、休むこともありとしている。

精神的に追い詰められることはなくなったが、ちょっとした休暇を挟みつつ、長く続けられる仕事を見つけていけばいいと思う。