パワハラ上司を追い込む、労働局に相談、病院の診断書は妻に任せる




私は携帯販売店に勤めているのですが、トレーナーの上司からパワハラを受けていました。店長として店をまとめていたのですが、トレーナーは店長の上司になります。

このトレーナーが、うちの店の新人の女の子数人にに酷い暴言を吐くのです。トレーナーは店長が休みの日に各スタッフから仕事上の悩みやスキルアップについて相談を受ける立場なのですが、「そんな悩みくだらない」、「取りゃいいんだよ、うじうじするな」など、スタッフの悩みを聞いたり、スキルアップのためのロールプレイングをするというより、文句を言って叱責するだけでした。

トレーナーが頼りにならないので店長である私が全てフォローしていました。一番あり得ないと思ったのは、トレーナーが罵詈雑言を吐いて、泣き出したスタッフが休みの私のところに電話を掛けてきました。

勤務中のはずのスタッフなので、「どうしたの、仕事は?」と聞くと、「トレーナーの罵詈雑言が酷くて早退した」と言うのです。

結局トレーナーの指導という名のパワハラの後始末を店長である私がしていました。休みの日も、退勤後もスタッフのフォローに追われていました。

妻には職場の状況を話していたので理解してくれていました。しかし、トレーナーのパワハラの矛先が私に向き始めました。

「管理職舐めてんのか、甘い顔するからスタッフに舐められるんだよ、ボケ!」

「店長から下ろすぞ、説明やアフターサービスばかりやらないで獲得しろって、言ってんだろ?指示聞いてんのか!」

とても接客業の人間の言葉とは思えません。確かに獲得も大切です。しかし、説明が雑だとトラブルになるのが、携帯電話の販売です。

総務省や消費生活センターから携帯の契約や販売の方法にについて問題提起されています。丁寧な接客でお客様に納得して契約していただくことが、長い目で見たときに店の利益なります。

しかし、トレーナーは接客に入ると調子の良い説明ばかりして短期的な利益ばかり追い求めます。トレーナーが入った接客で、説明不足のクレームが発生しても店舗のスタッフに丸投げで自分でクレーム対応しません。

部下に面倒なことは丸投げして、

「もっと早くクレーム処理しろ、とにかく謝ってとっとと切り上げろ」

無茶な要求をします。

威圧とただ怒鳴るだけでは人は育たないのに、一昔前の体育会系のノリで威張り散らすトレーナー

最低限の説明しかしないトレーナーは水と油

トレーナーと私の接客スタイルが正反対だからです。丁寧に説明して、不明点がないように気を遣う私と、最低限の説明しかしないトレーナーは水と油です。

また、スタッフの教育に対する姿勢も、苦手なところを得意にしてあげようという私の方針とは反対で、トレーナーはダメ出しだけして見て盗めという職人気質です。

理不尽に泣かされているスタッフを庇ってからパワハラの矛先は部下ではなく私に向かいました。

トレーナーは部下から人望がない

トレーナーは部下から人望がないことを自覚していたようで、何かというと、「店長、お聞きしたいのですが…」と私を頼ってくるスタッフの姿を見て舌打ちしていました。 

威圧とただ怒鳴るだけでは人は育たないのに、一昔前の体育会系のノリで威張り散らすトレーナー。文化系の部活で上下関係は緩かった私は、上司としての威厳を保ちつつも、部下には丁寧に仕事を教えていました。

自分がトレーナーまで成り上がったやり方を押しつける

部下から接客のときの悩みや、トークが上手く出来ないと相談を受ければ、どこでつまづいているのか、丁寧に原因を探してアドバイスしていました。少しずつ部下の接客が上手くなっていきます。そういう小さな過程を大切に少しずつ根気良く教える私が、トレーナーにとっては煙たい存在だったようです。

トレーナーは、

「営業なんて結局センスなんだよ、教えなきゃ使えない奴はセンスがない。自分から考えて上手い奴の接客を盗んで俺はやってきた」

と、とにかく自分がトレーナーまで成り上がったやり方を押しつけようとして、録に指導や助言をしません。

LINEのトーク履歴を持って、労働局、つまり労働基準監督所に相談

心療内科の診断書を事務所に持っていってもらう

妻に相談しました。妻からあくまで心配しているから相談したいというニュアンスで、職場と交渉してもらいました。心療内科の診断書を事務所に持っていってもらい、「職場で何かご迷惑おかけしていませんか」と、何も知らない風でトレーナーに話すと、

「お宅の旦那さんは心が弱くて神経が細いから病気になるんじゃないですか。過保護ですね、奥さん。仕事は遊びじゃないんで」とかなり大きな声で呆れたようにトレーナーは話したそうです。

妻相手にも遠慮なくパワハラ発言を繰り返した

妻は念のためと思ってパワハラの証拠として、バッグの外ポケットにスマホを入れて録音していました。その後もトレーナーはスタッフの根性が足りない、気合いが足りないだとか、妻相手にも遠慮なくパワハラ発言を繰り返したそうです。

極めつけは妻相手に、

「男は子どもが出来れば根性座るんですよ。子どもがいないから、いつまでも僕ちゃんのまんま。さっさと子ども作ったらどうっすか?」

従業員の妻にまでパワハラ、いや子作りに口を出すなんて完全にセクハラです。

その録音のことは伏せて、妻は煮えたぎる怒りを抑えてこう言ったそうです。

労働基準監督所に相談

「夫の部下から電話はもちろんLINEでトレーナーさんのパワハラについて相談を受けています。LINEのトーク履歴を持って、労働局、つまり労働基準監督所に相談したいのですが、許可をいただけますか?」

と、あくまで私自身ではなく、私の部下へのパワハラについてトレーナーに言いました。すると、

「そんな大袈裟な話じゃないですよ、どこにでもあることですって」

とトレーナーは笑いながら話したそうです。これ以上話にならないと事務所を去って、妻はトレーナーのその上の統括にトレーナーの件を相談しました。

お中元やお歳暮のやり取りをしているので、統括の個人の電話番号を妻も知っています。統括はしっかりしている人なので、妻と私から事情を聞き、心療内科の診断書、部下とのLINEのトーク履歴、トレーナーと妻が話し合いをしたときの録音を聞いてくれました。

結局トレーナーは降格して、別店舗の店長に格下げになりました。そのおかげで、同じ店長同士ということで、私へのパワハラもなくなり、また部下への横柄な態度も改めたようです。しばらくは統括が元トレーナーの店に頻繁にヘルプに入って、パワハラがないか見張ってくれました。

パワハラ体験談のまとめ

一人で抱え込まずに、家族、友人、労働局、相談窓口色々なところに相談することが大切です。その場で言い返せない自分を責めてはいけません。

誰かを頼ってみんなで解決する、無理せず心療内科を受診して診断書をもらう、交渉上手で気が強いけれど、怒鳴らない家族を使うといいと思います。

理屈を冷静に組み立てられて、なおかつ、録音や記録のメモをつけられる家族を頼りましょう。

最初は下手に出つつも、あなたがしていることはパワハラですとはっきり相手に伝えることが大切です。家族がいつでも出るところに出る準備は出来ていると匂わせて、パワハラ上司を焦らせましょう。

ただし、労働局や労働基準監督署にいくと確実に職場とこじれます。切り札のカードとしてチラチラ見せてパワハラ上司やその上の上司がどう対処するか観察してください。

弁護士に相談することも考えました。パワハラが行き過ぎれば、精神的苦痛やPTSDになります。法律の力を借りて専門家を頼ることは悪いことではありません。

いざとなったら、揉めるのが嫌だから退職するのもアリです。退職の手続きも家族がやってくれるものは家族に任せましょう。心が完全に壊れる前に逃げてください。

パワハラに遭わないためには、自分の味方を作っておくことです。親身になってくれる、家族、友人、職場で同じくパワハラ遭っている人など仲間を作って交渉しましょう。