私が会社に行きたくないと思うようになったのは、会社に出社すると頻繁にめまいや吐き気、腹痛、貧血、耳の閉塞感、手足や顔面の痺れ、食欲不振等の身体的な不具合が生じるようになった頃のことでした。
気分だけの問題だったら解決できると思い、仕事に小さな目標を設け、それを確実にクリアしていくことである程度「出社する前は出勤したくないと思っていたけれども仕事が終わってみれば達成感がある」というメンタル状態にもっていくことができました。
それは多少の成果を見せ、初期段階では自分をごまかすことができたのです。
しかし、そうしたメンタルコントロールとは関係なく体調不良は続き、ひどい時には仕事中に耳が聞こえにくくなったり、昼食がほとんど口にできなくなったり、朝礼中に失神して早退したりするなど業務に支障が生じるほどになってしまったのです。
それらは帰宅後も続き、気分の落ち込みやイライラから大切な家族に八つ当たりをしてしまうこともしばしばで、家庭内環境もどんどん悪くなっていきました。
夜はぐっすり眠れず、朝起きてもぐったりとして、もはや個人で行うメンタルコントロールでは限界がきている、と感じるようになった頃から、会社に行きたくない、と強く思うようになったのです。
体調不良が起こった原因は、過重労働にあった
難易度の高い総務や雑務に追われることに
このような著しい体調不良が起こった原因は、過重労働にあった、といまでは冷静に分析ができます。
自分の通常業務でさえ、余裕をもって終えたとしても定時ぴったりに終業するほどの業務量があったのに、上司命令や先輩からの頼みごとを断れずに追加の仕事を引き受けたため、通常業務を猛スピードでこなした上でより難易度の高い総務や雑務に追われることになったのです。
時間的余裕のない状況は非常にストレスフル
しかもそれらの追加業務はいわゆる「なる早」案件で、今日明日中に終わらせなければならない通常業務がどっさりあるのにもかかわらず、「明日戦法に持って行くから今日中に仕上げて」といった指示を受けて行うことが多々ありました。
そうした時間的余裕のない状況は非常にストレスフルでした。
その上、先輩や同期からの圧力もひどいものでした。
相談できる相手もおらず、四面楚歌の状態
多部署の上司からの支持を受けて私が業務を行なっていると、「本来行うべき通常業務をおろそかにしている」「そんな態度で業務にあたるなら、あなたの仕事は手伝わないし、先輩として責任も取らない」等ネチネチと文句を言われたのです。
徐々に私は職場内で孤立していき、相談できる相手もおらず、四面楚歌の状態で引き受けられるはずのない仕事を「はい、喜んで、」と笑顔で引き受けなければならなくなっていき、最終的に身体と心を病んでいったのです。
正社員からパートタイマーに降格
人事担当に心療内科の診断書を持って現状を直談判
私が会社に行きたくない、行っても業務を正確に行うことができないと判断したのち、取った手段は、「正社員からパートタイマーに降格する」ことでした。
前例はありませんでしたが、人事担当に心療内科の診断書を持って現状を直談判し、引き受けている仕事を減らしてもらった上で、フルタイムで勤務していたのを週3〜4日の半日業務まで減らしてもらったのです。
個人的にはその場で辞めてしまいたかった
個人的にはその場で辞めてしまいたかったという気持ちもありましたが、後輩が入社したばかりという状況もあり完全に業務を理解している人員が一人欠けるとてんやわんやになってしまうという状況もあったため、半年間ほどそのような業務形態で働くことになりました。
ストレス源からなかなか離れられないという状況は私に苦痛を与えましたが、それでも今までの頑張りの半分でいいんだ、と思えるようになったことは大きな収穫でした。
勇気を出して、上司の上司にあたる人に直談判した結果
投薬治療は効果を見せ始め、浅い眠りでも長時間横になることができるようになったことから合計の睡眠時間は8時間程度まで復活し、食事もどうにか口にすることができるようになり一時期5キロ以上痩せてしまっていたのが増量に成功できたのです。
それもこれも、勇気を出して、上司の上司にあたる人に直談判した結果だったと思います。
会社に行きたくない時のまとめ
会社に行きたくないという気持ちは誰もが抱くものでしょう。
それがあまりに一般的な感情であるがゆえに、時に「誰もが思うことなのだから、こんなにつらいと思うのは自分が甘えているからだ」と自分を責めてしまったり、「君がそんな風に思うのは怠ける気持ちがあるからじゃないのか」と他人を責めてしまったりすることにもつながります。
ですが、体に変調をきたすほどのつらさ、しんどさは、身体と心からのSOSだということを忘れてはいけません。
うまく眠れない、翌朝を迎えることに対してゾッとするほどの恐怖を覚える、体が生命活動を拒否しているように感じる、それもこれも自分のせいだ、つらい、しんどい、と感じることがあるのであれば、一度信頼できる友人や家族、医師などに相談してみてはいかがでしょうか。
それが客観的に他人の目から見ても異常だと映るのであれば、それは「異常な事態」なのですから。
そうした状態を打破するためには、自分が休むと会社に伝える勇気だけでなく、必要であれば診断書を提出して上司に職場環境を見直してもらう勇気が、ほんの少しだけあればいいのです。
「命あっての物種」ということわざがあります。
「何事も命があってこそ初めてできるものである」という励ましであり、「どんなときでも命は大切にしなくてはならない」という戒めでもあります。
会社に対してなにかを訴えることが恐くなった時はいつでも思い出してください。自分の命よりも大切なものはこの世に存在しないのだと。