皆さんはヨガについて、どのように捉えているのでしょうか?
ヨガを学ぶと言うことは、「本来の自分に帰る」ということです。
ヨガがブームになった理由には、ヨガを知ることで心身が調和し、しっくりとくる完全な自分を手に入れられるという実感があるからです。
軸心を探りながらヨガのポーズをとっていくうちに、いつのまにか生きていく上での中心軸を探っているコトに気づきます。
ヨガの行法をおこなっていると、人生で起こる様々な出来事に、より適切な対応ができるようになっていくのです。
ヨガの本質
ヨガとは?
2500年前、ヨガに関する最初の書物があります。
そのなかで、ヨガを「心の作用の止滅のことである」と定義しています。
ようするに、「心を静めるもの」ということです。これは、現代のヨガの定義でも一般的な事です。
「ヨガ」という言葉は、サンストリック語の「ユジュ」から派生しており、「ユジュ」とは本来「統合する、つなぐ、結びつける」という意味の言葉です。
ですから、実はヨガとは、心の状態を指す言葉なのです。
ただ、凪いだ穏やか心を手に入れるという目標は、あまりに壮大すぎて、易々とは実現できません。
そこため、このような心の状態へと至りやすくするための、実践的方法が編み出されたのです。
平静な心とは、実態がなく掴みどころがない目標です。
それに比べて、ヨガの体位をマスターすることは、形が整っているか、より柔軟に身体が伸びているか、どれだけ時間停止していられるかなど、自分自身で上達を知ることがでいます。
まずは身体という目に見えるものから入っていき、徐々に心の平静という目に見えないものを目指して行くほうが、たやすいといえるでしょう。
けれども、心身の統一感を得られ、自我とうまく付き合えるきっかけになり、本当の自分を思い出させてくれるものであれば、なんでもヨガと言えます。
今を生きる
人間の心がつい過去や未来に思いを馳せてしまいがちなのに対して、身体は常に現在という時間に存在しています。
ヨガにもいろいろなありますが、自分の身体を意識する事が大切だと言われています。あらためて、身体を捉えなおすことで、心を現在に取り戻すのです。
心が現在という時間にととまっていれば、過去や未来を思いわずらう憂いは消え、「こうするべきだ」「こうせねばならない」という重しが外されていきます。
ヨガによってすっきりと洗われたような心地になるのも、たとえ短時間だったとしても過去も未来もない、今このときだけに生きる存在になれるからなのです。
心身のバランスの崩れは、大きなストレスの原因です。バランスを崩したまま生活をするのは、激流にさからって泳ぐようなものです。岸から離れれば離れるほど、川の流れに押し流されて戻る事が難しくなります。
ヨガを続けることによって、バランスを保つことができ、よい恩恵を得るのとができるのです。
ヨガがもたらせてくれるもの
ヨガの実践を続けて行くと、身体と情緒と精神が一体となった、心身一如の心境に近づけるのです。
また、短期的効果として見られる変化は、単純に「気持ちがいい」という実感です。
萎縮し、硬く強張った体がのびのびと解き放たれていくのは、それだけでも気持ちがいいものです。人間の体は本来、自由に動けるようにデザインされていますから、当然のことです。
ヨガの行法をおこなうことによって、自分という人間を作り上げている要素が一つ一つ統合されていきます。
真の意味で、本来の自分自身に戻る事ができると言えます。
ヨガで心と体のバランスを保ち、自分自身を取り戻す
ヨガの一つであるアーサナ
アーサナは、失われた身体のバランスを取り戻す体位のことです。
体の弱い部位には力を呼び覚まし、凝り固まった部位には柔軟性を与えてくれます。運動であると同時に、身体の調和がよみがえるのです。メリハリのついた身体も手に入り、心にゆとりも生まれます。
ヨガを行うときには、心を現在という時間にとどめるようにします。全神経を傾けて没頭し、身体に流れる微かな感覚にも意識を向けるようにしてください。
言うなれば、「自分の身体と会話をする」ことです。
柔軟な心を持ち、敬意を払いながら、身体の言うことに答えるようにしていきましょう。
呼吸法
ヨガの真髄は、体位をどれだけマスターしたかではなく、むしろ呼吸法にあります。
逆に言えば、呼吸さえ出来れば、誰でもヨガができるのです。
自分の呼吸について、隅から隅まで知り尽くしてください。
1番の親友のことよりも、呼吸についてよく知ることが大切です。
何故なら、生きて行くうえで、いつもそばにあるのが呼吸なのですから。
呼吸が上手く行えば、気分は安らぎ、気持ちが落ち着き、心が癒されます。
体位を組むと、息を止めてしまう人と多いのですが、流れるような、滑らかな呼吸を心がけてください。
呼吸は、とても大切な要素です。
ヨガを続けるには
ヨガは、とにかく続けることが肝腎です。長い時間、行法を不定期にやるよりも、少しずつでも、継続して実践するほうがいいのです。
無理なく始めるには、週に一度と言うのが、妥当かもしれませんが、週三度行えば目に見える変化が現れやすくなります。
ヨガのポーズは難しいものも多く、息切れを起こしながら実践をしても、ヨガを楽しむことはできません。
まずは、じっくり時間を掛けて予備ポーズから取り組んでみてください。
できないポーズに対して、反感をつのらせていくのが人間の性です。けれども、困難なポーズから逃げだすのではなく、下準備となるような体位を適切に選んで、体を思いやりながら、少しずつ限界点をのばしていくように努力してみてください。
まとめ
ヨガの実践は、人生において自分を取り戻すことのできる、素晴らしいものです。
ヨガは、運動競技などとは違い、歳を取るにつれて技がますます深まっていきます。
鍛錬を続けることによって、絶えず身心が浄化され、よりよい方向へと進化していきます。
日々の体調を常に意識して、限界を超えないように気を遣っていれば、怪我をする心配もありません。
柔軟性、自身や集中力までも伸びていきます。そして、ヨガとは心の平静を保つものでもあります。
ただ、健康になるためのものではありません。
人生を自分らしく謳歌するために、是非ヨガを始めてみてください。
ありがとうございました。