日本産とヨーロッパ産のミネラルウォーターの違い




命の原点は水であると、鎌倉時代の道元禅師が述べておられます。
昔から人々は命の原点が水であることを知っていました。

日本人は特に豊かな森と豊かな水とともに生きてきました。しかし最近、水を大事にしなくなっているように思われます。
山や森を乱開発し大切な水源を汚すため、薬品で処理し、浄水した水を飲まざるを得なくなっています。

実は、そのことが、私たちが心身の病気になることを増やしている原因の一つになっているようです。では、水の種類やよい水とはどんな水か、そして飲み方について考えてみたいと思います。

ミネラルウォーター

ミネラルウォーターの違い

水は一日2リットル以上飲みなさいと聞くことがあります 。確かに健康を維持するため、飲む水の量は大切ですが、もっと大切なのは 、飲む水の 種類 なんですね 。

皆さんはどうですか? ミネラルウォーターを飲んでるよと言われる方が多いと思いますが 、ミネラルウォーターにもいろいろな種類があるという事をご存知だったでしょうか。

じつは、日本産とヨーロッパ産では中身がだいぶ違っているんですよ。天と地ほどの差があります。
スーパーに行くとミネラルウォーターが、ずらっと、ペットボトルで値段もほとんど変わらず並んでいます。でも、中身は全く違います。

欧州産のFなどのミネラルウォーターがありますが、本物の天然水です。では、国産のミネラルウォーターはどうでしょうか。 ほとんどが加熱処理されていますが、欧州産のミネラルウォーターは加熱調理されていません。ヨーロッパのミネラルウォーターは、特定水源から取水した地下水で、殺菌などの人工処理が禁止されているんです。

日本産ミネラルウォーターの品質標語表示ガイドライン

①ナチュラルウォーター

  • 特定水源から採取された地下水を原水とし、沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の物理的化学的処理を行っていない物

②ナチュラルミネラルウォーター

  • ①のうちミネラルをもともと含む地下水を原水としたもの

③ミネラルウォーター

  • ②のうち、品質安定させるためにミネラルの調整や曝気 複数の混合紫外線やオゾンによる殺菌・除菌などの処理を行っているもの。

④ボトルドウォーター

  • ①から③以外の飲料水、純粋の蒸留水、河川の表流水、水道水など

非加熱のミネラルウォーターが良いわけ

日本では自然のまま、ミネラルが溶け込んだ地下水をくみ上げ、沈殿・ろ過、あるいは加熱殺菌した水が、ナチュラルミネラルウォーターとされています。

でも、欧州の最大の相違点は殺菌処理をしていないことです。日本では水に限らず、過度な安全思想が蔓延していて、少なからず悪影響を及ぼしているようです。
殺菌していない水にはバイキンが繁殖しているのではないかと心配する人が多いようです。なんでもかんでも、除菌殺菌と流行っています。
でも、人間のからだ全体、中も外も細菌だらけで、そのおかげで生きてられるんですよね。腸内細菌、腸内フローラのお陰で、健康が保たれることをテレビでやっていましたね。

長い年月を費やして、富士山の伏流水も70年~100年ほどかけて、幾重もの地層でろ過してきたミネラルウォーターに病原菌が含まれることはほとんどありえません。

ヨーロッパの人たちはそのように判断しているので、殺菌していない水をミネラルウォーターとして愛用しているのです。

水の種類

軟水と硬水

私は、湧き水を汲みに近くの山に通っています。お茶やコーヒー、水割りの水、ご飯を炊く水など、いろいろなものに利用しています。豊かな森を通して湧き出している水なので、とろっとした、まろやかな軟水です。

そして、私の趣味の一つが、安いウイスキーを、おいしい水でどれだけおいしく飲むかというものです。それぞれの湧き水によって、おいしさがまったく変わるんですね。

そのなかで、一番のお気に入りは、鳥海山の元滝伏流水。硬水です。安いウイスキーのなんとおいしくなることか。ただ、お茶には今一つ。

お茶には乳頭のブナ林の湧き水が最高。軟水です。あまーいトロっとした湧き水です。お茶やコーヒーに最高です。

軟水と硬水の成分

水には軟水と硬水という分け方があります。日本ではマグネシウムの量が100ミリグラム/L以下の水を軟水、それ以上を硬水と分けています。マグネシウムの量、カルシウムの量は、商品ラベルの栄養成分を見れば一目でわかります。

カルシウムやマグネシウムを多く含む地層を、長い期間にわたって浸透した水は硬度が高くなります。ヨーロッパのミネラルウォーターに硬度の高い水が多いのは、石灰岩層のなだらかな土地を、ゆっくりと時間をかけて流れ浸透したからです。

反対に 日本のように急峻で雨の多い水の流れが激しいところでは、水がミネラルを吸収する時間が短いため、軟水が多くなります。

硬水と軟水では特に優劣はありませんが、性質が異なるので、上手に利用することが良いようです。例えば、動脈硬化を予防し、心筋梗塞や脳梗塞から身を守るためには、軟水よりも硬水の方がおすすめのようです。

なぜなら、硬水に多く含まれるカルシウムやマグネシウムが血管を強し、血液をサラサラにしてくれるからです。

一方、硬水が不向きな人もいます。代表的なのは、腎臓に障害のある人で、硬水を飲み続けるとカルシウムを吸収できないため、尿路結石を引き起こすことがあります。

また、胃腸が比較的弱く下痢を起こしやすい人も、硬水はマイナスに働きます。このようなタイプの人は軟水を選ぶことがおすすめです。

ミネラルを保つ

ミネラルとよく言いますが、その中身について分かっているようで分かっていないことが 多いようです。

日本人が最も不足しがちなのがカルシウムのようです。このことは明らかではありませんが、日本人に脳梗塞や心筋梗塞が多いのは、日本の水にはカルシウムがほとんど含まれていないからだという説があります。

そして、カルシウムの働きを体内でしっかりサポートしているのがマグネシウムです。マグネシウムは、血管内のカルシウムの蓄積を防ぎ、血清などの細胞にカルシウムを運ぶ一方で、カルシウムが骨や歯などから溶け出すことを防ぐ重要な働きをしています。

ですから、カルシウムやマグネシウムを多く含む硬水をできるだけ飲むことや、水以外のものからとることが必要となりますね。

アフリカの動物たちが、ミネラルを求めて土を食べている映像が流れることがありますが、ミネラルをたっぷり含んだミネラルウォーターは、すべての生き物の宝でもあるかもしれません。

まとめ

人は水とともに生きてきました。そして、どんな水を飲むかによって、心とからだの健康を維持することができます。元気になります。

このことは、とても大切なことです。ですから、良い水を正しく飲みましょう。次回は、水の飲み方の続きについて考えてみましょう。