年下の上司はやりにくい?




学生を卒業して、すんなり就職する人もいれば、就職困難で、就職浪人をした人もいれば、就職しても、どうしても上手く行かずに退職して、再就職を余儀なくされた人もいるでしょう。

学生から、直接、就職出来た人には、あまり関係ないかもしれませんが、その他の場合、上司が、どうしても、年下になってしまうケースが多くなります。

そうなると、「やりにくい」「どう接して良いか分からない」「年下なのに上司だからと偉そうに言われる」などが出て来て、また、辞めてしまう…という事も少なくないのではないででょうか?

しかし、辞めたところで、また、就職した先で、「上司が年下ではない」という可能性は、保証もなければ、むしろ、同じように、年下の上司の場合がほとんどでしょう。

その度に、仕事を辞めていては、いつまで経っても、定職に就く事が出来ません。
特に、男性は、定職に就いて、いずれは、家庭の大黒柱として生活していかないといけない場合が多いので、大変ですよね。

最近では、逆に女性が大黒柱になってるケースもありますが、どちらにせよ、どちらかが、定職に就いていなければ、いざ、子どもが欲しい!となった時に路頭に迷ってしまいます。

では、上司が年下の場合、どうすれば良いのでしょうか?
また、逆に、部下が年上の場合、どうすれば良いのでしょうか?

悩みが結構多い様なので、その事について、どうするべきなのかを、実体験を織り交ぜながら、書いていきたいと思います。

自分の立場

実務経験があるかないか

ここで、まず、考えないといけないのは、自分の置かれた立場です。
高卒なのか、大卒なのか、それは、就職した時点では、あまり意味がありません。

社会に出て、必要なのは、学歴よりも経験です。
職場は、より良い人材を得る為に、高学歴の人材が欲しいでしょう。

しかし、最初から仕事が出来る人なんかいません。
大卒だろうが、高卒だろうが、実務経験が多い人が、先輩であり、上司なのです。

では、何の為に、高学歴を目指すのかというと、それは、だいぶ先に役に立って来るのです。
役職に就ける人材なのかどうか…その時点で、学歴を見られたりもしますが、近年では、あまり、そのような話も聞きません。

やはり、地道にコツコツと働いて来た人を見る企業が増えて来ている様に思います。
これは、高卒の人にとっては、有難いですよね。

ただ、大卒でないと、取得出来ない資格があるのは、確かです。
それは、高卒の人がいくらコツコツ働いても取得出来ない資格であるものなので、大学に入り直す人も居たりしますよね★

という訳で、社会に出たら、まず、先に実務経験がある人が、上司になり、仕事を教えてくれます。

大体、ここで、問題が発生するのですが、長い目で見たら、勿体ない!としか、思えません。
しかし、実際、大半が、ここで「は?」ってなるのです。

初心者と経験者!これは、どこでも同じです!年齢も、学歴も、全く関係ありません。

上司も困ってる

さて、その年下の上司ですが、この上司の立場の人も、実は、出来れば、自分より、年上の人を部下には、持ちたくないと思っています。

出来れば、避けたいはずです。でも、上司の上司に言われて、仕事を教える為に上司になるのです。
ややこしいですね…。

簡単に言えば、年齢とかも関係なく、「教育係」は、ただでさえ、避けたいのに、自分より年齢が上の人が入ってくるとなれば、「教育係」の上司も、「どんな人なんだろう…どうやって、教えれば良いんだろう…」と、とても考える!という事です。

上司の上司は「君がやってる仕事を教えれば良いんだよ」と簡単に言いますが、「そう言われてもですねぇ…」という感じなのです。

なので、「上司が年上なんて嫌だ!」と思っている人と、「部下が年下なんて嫌だ!」というのがお互いの本心なのです。

しかし、私からしたら、「え?でも、上司でしょ?」という感じです。

学生でも、そうですよ。
実際、現役の学生の中に、社会人入学で入学したら、学年が上の人は、やはり「先輩」です。
年齢が上な分、「人生の先輩」は、年上の人かもしれませんが、学校生活での先輩は、やはり、学年が上の人が先輩です。

実は、私は、体罰があった高校を中退しました。
心と体のバランスを崩して行けなくなったんですね。
でも、当時、中卒では、なかなか条件の良い仕事に就けなかったので、22歳で、高校編入学して、24歳で短大に入りました。それからが、本当の社会人生活だった訳ですが…。

その前に、学生時代、クラスメイトは6つ下の子達。
もう、自分は、すっかり学生に戻ってエンジョイしてました。
誰も、私を年上扱いなんかしませんでしたし、1年生の時は、2年生の先輩には至って普通に「先輩、これ教えて下さい」と言って教えて貰ってました。

年齢を知っていたので、最初は、先輩方も「え…私が?」みたいな感じでしたけど、「私、本当に分からないので、教えて欲しいです」とお願いしていたところ、何回かするうちに、普通に先輩後輩として、学生生活を送っていけました。

それが、社会に出ても、全然、抜けずに、未だに、どんなに自分より若かろうと、実務経験がある人が上!と常に思って仕事してます★

学ばなければ始まらない

そうなんです!
とにかく、仕事の実務経験を増やして、実績を上げていかなければ、何も始まらなければ、いつまで経っても、初心者扱いです。

その時間が凄く勿体ないです!
年齢関係なく、教えてもらう事は、教えて貰わなければ、いつまでも「仕事が出来ない人材」として、高学歴だろが、実務経験を無駄にすごして増やしても、上には上がれないという事です。

ウダウダしている間に、要領の良い人は、どんどん吸収して、結果を出していきます。
そして、初めて、「さすが〇〇大卒!」とエリートへの道が開かれるのです。
そして、初めて、自分がその職場でやりたかった事の意見が言えたり、意見が通ったりするのです。

人は、それを「下積み時代」という。

最初から、下積み無しでは、さすがに社長の息子でも、実務もなしに、「はい、明日から、君が社長ね」なんて事もないです!

その同じ職場にいなくても、似たような職場で、働いたり、経営学を嫌々でも学ばされたり(「継ぐ」となれば、自分の意思ではない場合がありますからね)、多少なりとも、「下積み」はするものなんです。

たまに、お役所関係や金融関係などは、例外もある様ですが、一般的な企業、職場では、そうです。

ですから、その職場で働く入口の部分でつまづいてる場合ではありません。

プライドは最小限で

年齢によるプライドはいらない

そもそも「年下の上司が…」と言ってる時点で、年齢のプライドをお持ちではないでしょうか?

それでは、学ぶ姿勢の準備が、出来ないはずです。
もっと柔軟になって、学ぶ姿勢を整えて下さい。

何度も書いてる様に、職場では、実務経験が多い人が先輩であり、上司なのです。
「初心者ですから、教えてください」という気持ちがなければ、上司が教えてくれたことも、頭には、入りません。

こちらも、先程書きましたが、上司もどうやって年上の人に教えるが、困ってるのです。
その困ってるのを、年上のアナタが教えやすい様に雰囲気を作ってあげて下さい。
それが、唯一、「年上のアナタが年上として出来る事」です。

そうすれば、誰が得をするか考えたら、部下のアナタです。
上司が教えやすい様な雰囲気を作れば、その分だけ、上司は、仕事をたくさん教えてくれるでしょう!

その全てが、部下の知識になるのです★
この雰囲気を作れたら、自分が呼び捨てにされる事もなければ、上からものを言う様な雰囲気にもならなくなるはずです。

人間、自分が教えた事を、1度や2度ならまだしも、適当な態度で仕事して何度も何度も失敗されたり、反発されると、やはり、言葉が荒くなって来ます。

御自身の日常を考えてみて下さい。そのような事はないですか?
家庭内においても、人間、そんなに穏やかな状態だけで過ごせるなんて事は、もう、神か仏かでなければ、ないはずです。

その大半が「何度言わせるんだ」とか「聞いてるのか?!」ではないでしょうか?
年下だろうが、人間ですから、やはり、やる気のある人、学ぶ意思のある人は、態度で分かります。

頑張っていて出来ないなら、それは、また手を貸してくれるでしょう。やる気のない人に何度も手は貸してくれませんし、年下だからこそ、悪口も言われます。(そこら辺は、まだ、人間的に未熟ですからね)

年齢的なプライドがあるなら、もう、捨ててしまいましょう。

そして、仕事で頑張って、その仕事においての経験や実績にプライドを持てる様になりましょう!

上司は上司として

部下が年上だろうが、年下だろうが、上司は上司として、きちんと対応して欲しいと思います。

それは、威張る事や、上からものを言う事ではありません。
きちんと、仕事を教える事です。
そして、やはり、経験は、上司である方が上なので、部下が困っていたら、手を貸してあげられる上司でいて欲しいです。

それが、出来る人だからこそ、部下が付くのですから、そこは、自信を持って、仕事を教えて欲しいと思います。

遠慮はいりません。上司ですから。
部下の為になるなら、多少厳しい事を言う事もあるでしょう。
それは、暴言ではなく、あくまでも、部下を想って言うのであれば、それは、遠慮せずに言うべきです。

私も、上司が年上なんて事は、ほぼ無い年齢になって来てます。
だから、上司は、大体、年下です。
しかし、やはり、失敗をする事はありますから、怒られます。
それは、当たり前だと思っています。
職場を良くしていく為には、それは、必要な事ですし、上司は、きちんと説明してくれるので、納得もいきます。
部下が年上だから…と、あやふやな事で終わらせるのではなく、「これは、こうだから、必ずこうして下さい!」ときちんと伝える事が大切です。

最初は、みんな初心者です。失敗もします!

上司の皆さんも、初心者だった事が、絶対ありますよね?
頑張っても出来ない悔しさなどを経験してるのも、上司です。
失敗も何度かしている事でしょう。
自分の上司から言われて、嫌な想いをした事もあると思います。
その嫌な想いをした事を部下にもしてしまう様な上司には、ならないで下さいね★

それ以外だったら、上司は上司らしく、きちんと部下が納得する様に御指導して欲しいと思います。

お互いが尊敬出来ると◎

これは、1番大切な事で、1番難しい事かもしれません。
でも、実は、簡単です。

お互いの「良いところ」を探せば良いのです。

これは、人間観察ですね。
部下は、年下の上司の良いところを見つけましょう。
些細な事でも良いです。自分がミスをした時に、上司がカバーしてくれた時などは、素直に心から御礼を言う事は、人として極当たり前の事ですし、年上が御礼が言えないなんて、言語道断です。
そんな時、「上司だから出来て当たり前」と思うのではなくて、「年下でもやっぱり凄いな」「カッコイイな」「自分もあんな仕事が出来る上司になりたいな」など、相手を尊敬出来れば最高です。

上司も、出来なくても、出来るように頑張ってる姿を見て、それを当たり前として見るのではなく、「必死に頑張ってるな」「何度でも挑戦してるな」「初心を思い出すなぁ」「やっぱり、年上の人って凄いな」「自分もあんな大人になりたいな」など、年上の部下を、そんな目で見れたら最高です。

これが、出来ないと、関係は上手く行きません。

ある時、会社の社長さんと、屋台で意気投合した事があります。
年齢は、だいぶ離れていたのですが、その社長さんが言う訳です。
「こんな風に社員も話しかけてくれたらな」と…。

私、どうしたと思いますか?
社長さんに向かって怒ったんです。(私は、「おっちゃん」と呼んでました。)
「おっちゃん?社長さんは偉いから、誰も気軽に話しかける訳ないじゃないですか!おっちゃんが、上から目線じゃなく、下から目線で、心から社員に感謝したり、尊敬したりしてる事を話した事ありますか?ないですよね?実際、動いてるのは社員でしょ…?感謝を伝えるべきです!誰が「社長」に気安く話し掛けるんですか…。おっちゃんが変わらない限り、「社長」に気軽に話し掛けてくれる社員なんかいませんよ!」
と…。私が20歳くらいの時の話です。無謀ですよね。

もう、その社長さん、二度と屋台に来ないと思ってました。
屋台の大将にも「ごめんね」って謝っておきました。
でも、次の日も来たのです。
そして…
「ありがとう!アナタのお陰で、今日、自分が日頃想っている感謝の気持ちを話したら、社員が気軽に話しかけてくれる様になって、今後の会社の事についても、社員の本当の言葉で話してくれて、凄く楽しく会議が出来たよ!本っ当にありがとう!!」
と私の手を握りながら、わざわざ御礼を言いに来てくれたのです。

一番驚いたのは、私です。
屋台の大将は、私を見てニコニコ顔でうなづいてました。
大将には、どうやら、結果が分かってた様ですね。

まとめ

ここまで読んできて、どう感じましたか?
「明日から、もう少し頑張ってみようかな」と少しでも思っていただけたでしょうか?

最後に書いた社長さんの話ですが、私は、自分が年齢を重ねていく中で、「あの社長さんは凄いな」と感じる様になりました。
20歳そこそこの若造が言った言葉を次の日に早速実践して、わざわざ御礼を言いに来るというこの行動。
一日で、社長のイメージを一新したんですよ!相当な勇気だったと思うのです。
その後も、社長という立場を維持しながらも、フラットな会社組織で経営していた様ですよ★私は、相変わらず「おっちゃん」って言ってましたけどね。
きっと、「おっちゃん」の会社は、上下共に尊重し合って、良い職場作りが出来たのではないかと思います。

年齢に関係なく、世の中には、凄い人や素晴らしい才能を持っている人がたくさんいます!
その多くは、年齢で人を判断する様な人たちではありません。
純粋に、「凄いな」「素敵だな」と思うことは、自分に積極的に取り入れて、お互いをけなし合うのではなくて、その人、その人の良いところを認める事が重要ではないかと思います。

そして、「アナタがいたから、今の自分がいる」という事を常に想いながら、良い雰囲気の職場作りをして欲しいなと思います★