役者になりたい!オーディション?事務所に入る?どうしたらいい?




役者、俳優になりたい!
そんな夢を持っているあなた。

でもどうしたらいいの?
年齢制限とかあるの?
どんなオーディション受けたらいいの?
事務所って何?

わからないことだらけではないですか?

そんなあなたに是非、この記事を読んでいただきたい!

まずどうしたらいいのかはもちろん
こんなことに気を付けて!というお話や
どんなことを勉強したらいいのか等
お役立ち情報もお伝えしちゃいます!

まず・・・
日本では、役者になるのに資格は必要ありません。
極端な話を言えば、あなたが「役者です」と名乗れば
今日からもう役者なのです。

ですが、あなたが目指したいのはそんな“自称役者”ではなく
TVや映画で活躍する有名な俳優や
素晴らしい演技でお客さんを感動させるような
そんな役者さんですよね。

もちろん、誰もが知るような有名スターになれるのはほんの一握りです。
でも、少しでもそこに近づくためには全てを運任せにしているわけにもいきません。
もちろん、運もある程度必要な部分もありますが・・・
「正しい方向」での「努力」が不可欠です。

その一つは、もちろん演技力をアップするための努力
そしてより良いチャンスをつかむための努力です。

そのために必要な知識を身に着けて
全国の俳優志望者に差をつけちゃいましょう!

どんな役者を目指すかで初動が決まる

あなたはどんな芝居がしたい?どんな役者を目指しますか?

まず、あなたはどんな芝居がしたいですか?

映画やドラマなど映像の仕事がしたい?
舞台で活躍をしたい?
舞台は舞台でもミュージカルがしたい!

まず、ミュージカルをやりたいという方は
とにかく歌とダンスのレッスンが必要です。
オーディションに受かるにもここが必要不可欠。
学生さんなどは今からレッスンをしておけばかなりのアドバンテージです。

続いて、映像の仕事をしたい方は
事務所に入ることが必要となります。
何故なら、良いオーディションは事務所に入っていないと受けることさえできない場合が多いのです。

とはいえ、やみくもにどこの事務所でもいいというわけではありません。
この点については後程詳しく書きますね。

続いて舞台の仕事をしたい方は2通りあります。
事務所に入るか、劇団に入るか、です。

いわゆる商業演劇の方面にいきたい方は映像の場合と同じ理由で
事務所に入っていることが必要となります。
商業演劇とは、主に大きな劇場でスターを主役などに招いて
大手興行会社が興行を行っている場合が多いです。
最近多くなってきた2.5次元舞台などもここに類するのではないでしょうか。

劇団はピンからキリまで様々あります。
たくさんの劇団を見て、自分が好きだなあと思うところを是非探してみてくださいね。

テレビに出ている俳優さんも劇団出身の方は多いですよ。
文学座や俳優座等の老舗の劇団となると育成のカリキュラムもあります。

一方で、劇団はそれこそ誰でもできてしまうので
やっている側の人間が楽しむためだけの劇団もあります。
(チケット代の安い高いはあまり関係ありません。チケット代は劇場や稽古場をかりるためのお金で、芝居のクオリティとは一概に関係がありません。)
よくよく見極めてくださいね。

事務所はよく選ぼう!すぐ受かるオーディションには要注意

今テレビで売れている若い俳優さんたちが、この業界に入ったきっかけなどを聞いていると、よく聞かれる言葉が「スカウト」。
実際、都内などで大きな町を歩いていると声をかけられることもままあります。

でも注意していただきたいことが。
彼らの多くは「数打ちゃ当たる」作戦。
けしてあなたの姿に才能を見抜いて声をかけたわけではありません!!

それで名刺を渡され、後日事務所に行くとオーディションのようなものがあるでしょう。
あるいはいきなり事務所に入りませんか?という話があるかもしれません。
そして続いて言われる言葉はこんな感じです。

「あなたは才能あると思うけれど、まだ力が足らず仮採用です。
デビューのためにはレッスンを受ける必要があります。」

そして宣材写真や登録料、レッスン料の提示・・・

これ、よくある話なんです。
よっぽどダメでない限り、ほぼ全員に同じことをいっていると思ってください。
「才能がある」との言葉に踊らされてはいけませんよ。

初心者なのだから、レッスンを受けなければいけないのは当然と思うかもしれませんが、問題はその内容です。
事務所や養成所のレッスンが全て内容が良いとは限りません。
新人を育成することよりも、お金を得ることが目的の場合もあるのです。
高額なレッスン料をとりながら中身は“稽古ごっこ”をしているだけ、ということも。

受かった!とすぐに飛びつくのは危険。
同じ入所するにしても、よく見極めてからにしましょうね。

事務所を選ぶには?ホームページはこんなところを見よう

それではどんな事務所に入るのが良いのでしょうか。
そもそも何を基準に選んだら良いでしょうか。

一番良いのは、その事務所の中にいる人(できたら所属している人、難しければせめてレッスンを受けている人)に話を聞くことです。
スカウトマンや事務所に行った先で会った人は利益が目先にありますので、話を聞いてもあまりあてにはなりません。
利害関係がなく、正直な意見を聞ける相手がいると一番良いですね。

その方が所属俳優であれば、直接マネージャーさんなどに紹介してもらえるのが一番良い方法と言えます。

とはいえ、なかなかそういう人と知り合うのも難しい・・・
そんなときはまずはネット検索です!

今は調べようと思ったらなんでも調べることが可能です。
まずはホームページなど調べてみましょう。
口コミも出てくるなら参考にしてみてくださいね。

スカウトをされた場合でも、まずは名刺をもらってホームページを見てみましょう。
声をかけられたそのままついていくのは厳禁です。
調べる時間をとるためももちろんですが、すぐそこだからとついていったらAVだったということもありますからね。
今すぐでなければダメなんて言われても、そんなスカウトはそもそも怪しいので却下ですよ!

まずは調べた事務所がどんな仕事を受けているのかを見ましょう。
あなたが映画に出たいのに、舞台の仕事ばかりの事務所など
目指す方向とあっていないのでは意味がありませんからね。
 
続いて、所属している俳優はどんな人がいるでしょうか。
その二つを見ることで、その事務所がどの程度の仕事を受けているところなのかが大体わかります。

ちなみに仕事の欄には有名ドラマなどが列挙されているのにトップに出ている俳優が見たことのない人ばかり、検索をしても人物名鑑等が出てこないという場合は要注意。
そこはエキストラ事務所かもしれません。

エキストラから誰かの目にとまっていい役が、なんてことはほぼありえません。
歩いているだけだったり、セリフがあっても一言二言だったりでは演技力なんて見極めようがないですからね。

ちなみに、大手であれば良いかというとそうとも限りません。
大手には志望者がたくさん集まるので、確かに来る仕事も多いかもしれませんが、その中から選ばれるのはかなり難関なのです。

小さい事務所ならがある程度名前の知れている方が所属している、という場合にはある程度力があると思って良いかもしれませんね。
とはいえ東京には事務所が乱立し、ピンからキリまであります。
一概にここがいいとは言えませんが、まず上記のことを参考に焦らず時間をかけて調べてくださいね。

何度も言いますが、一番良いのは調べるにしろ所属するにしろ、既に内側にいる人と繋がりを持つことです!

役者に演技力は必要不可欠。質の良い訓練を受けて力を伸ばそう

事務所のレッスンを受講したら演技力が身につく?

さて、役者に必要なのはいわずもがな「演技力」です。

力がなければ仕事も来ないですし
運よく幸先の良いスタートがきれても演技力がなければ長くは続きません。
ですが、演技の勉強っていったい何をしたら良いのでしょうか?

実は、日本は演技の訓練においては後進国であると言われています。
明治時代に海外で芝居を観た人が日本に持って帰ってきたのですが、形だけをまねてしまい、肝心の中身が伝わってこなかったのですね。

それでも優れた俳優さん方はいらっしゃいますが、天才的な俳優さんはパッとできてしまうので、やり方を聞いても感覚的な答えしか帰ってこないことが多い。
優れた俳優が優れた師であるとは限らないのです。

よって、日本では演技についてちゃんと教えることのできる指導者は非常に少ないです。

役者の基礎訓練として必要なことは、体と声と心と言われます。
体づくりは筋トレや体幹を鍛える、声は発声や活舌の訓練ですね。
これらは教えやすい分野のため、比較的どこでも教わることができるのですが、問題なのは「心」の部分。

ここができなければ、いくら綺麗に話せても伝わらないし
歌やダンスは美しくても演技は響かないミュージカルが生まれます。
なのに、一番重要なこの部分をしっかり教えてもらえる場所が本当に少ないのです!

ではどこで学ぶのが良いでしょうか。
おすすめは、評判の良いワークショップを探すことです。

事務所のレッスン、あるいは事務所に併設されている養成所などは
受講したらその事務所に所属できるかもしれない、というある種の“餌”があるため、クオリティとは関係ない要素で生徒が集まっている場合があります。

その点、ワークショップはその先が約束されていない分
純粋に内容だけにお金を払って受講している人ばかり。
質が悪ければ商売になりませんから、自然とクオリティは高くなり、質が担保できないものは消えていきます。
オーディションなどなく学びたい人が誰でも受講できるというのも嬉しいですね。

もちろん事務所のレッスンを一概にダメとは言いませんが、それだけでは足らない場合もあるということを知っておいてくださいね。

役者として知っておいて損はないースタニスラフスキーシステム

少し専門的な話になりますが、役者として学んでおいて損はない演技論があります。
それが「スタニスラフスキー・システム」です。

スタニスラフスキーとは、100年ほど前のロシアに生きた人で
優れた俳優はどんなことをしているのかということを研究、解明し、その理論を構築した人物です。
(とてもお金持ちで、家の敷地内に劇場があり幼いころから演技が身近な存在だったのだそうです。すごいですね。)

彼の理論は、世界中に多大な影響を与え
ハリウッドで活躍する俳優たちにも、この理論に基づいて演技をしている方が多くいます。

彼の演技論は、“役を生きる演技”と呼ばれ
セリフの言い方や表情を意識的に表現するのではなく
その役のおかれた状況と目的を理解し、その目的を手に入れるための行動をすれば
言い方、声色、表情、その他が自然発生的に生まれるというものです。
観客の心を打つ演技をするためには、まさしく必要と言えるでしょう。

であるにも関わらず、このシステムについても日本でしっかり体系的に教えてもらえる場所は限られています。
きちんと理解し指導できる優れた先生が非常に少ないのが現状。
その分、これができるか否かで演技力には格段に差がつくといっても過言ではありません。

是非積極的に探して、学んでみてくださいね。

優れた役者に劇団出身者が多いのは何故か

優れた俳優さんには劇団、つまり舞台の出身者が多いのはご存知ですか?
劇団という場所は非常に演技力を鍛えられます。
映像は何度も撮影をして良いカットをつなげることができますが、舞台はそうはいきません。
大勢のお客さんの前にたち、緊張感もある中ある一定のクオリティが求められます。
長い時には2時間以上にもわたって、です。

かなりの集中力が必要ですし、万一舞台上で誰かがセリフを忘れたなどのトラブルがあれば、舞台上でアドリブで対処する必要さえ出てきます。
本番の舞台こそが一番学びの多い場所なのです。
それで鍛えられないわけがありません。

優れた先輩がいればなおのこと。
間近で背中を見、自然と“技を盗む”ことも可能でしょう。

本当に芝居がうまい俳優さんかどうかは、“長回し”を見るとわかります。
コマ切れで映像をつなげず、1カットで長時間撮ることを長回しと言います。
舞台の演技は、常にこの長回しの状態ですからね。
舞台出身の俳優は本当にここが強いです。

確かに劇団から売れたタイプの俳優さんは華ひらくのが遅めと感じるかもしれません。
ですがバイプレーヤーと言われるような方ばかり。

演技力ってそもそも一朝一夕で身につくものではないんです。
早くに売れても、実力がないまま落ちて行ってしまう方もたくさんいます。
積み重ねてきたものに裏打ちされた実力に勝るものはありません。
 
劇団自体や、演出家・作家が売れたことで所属俳優が売れるなんてこともあります。
事務所に所属してもセリフもほとんどないような役しか来ないなら、力をつけながら上を目指せる劇団に所属するほうが実は「急がば回れ」かもしれません。
もちろん事務所と劇団を並行して所属される方もいらっしゃいますよ。

もちろん、劇団はピンからキリまであり、趣味レベルでもできてしまうのでよくよく見極めることは必要ですよ!作品に不必要な出演者が多く、役者の知り合いにチケットを売らせているような劇団はダメです!

役者として生きていくためには正しい努力と“運”をつかむ力が必要

いかがでしたか?
少しは今後の参考になったでしょうか。

役者として売れるのは、ほんの一握り。
そしてそれは、運が左右する部分も大いにあります。
人事を尽くして天命を待つ、という言葉があります。
やるべきことを全てやって、あとは天命に任せるのです。

やるべきことの一つは、演技力を身に着けること。
努力を惜しまず、勉強をし続けることです。

そして、運をつかむためにはその運が巡ってくる場所に身を置いていることであると思います。
それが良い事務所であり、売れる可能性のある劇団であると筆者は考えます。
そこは努力ができる部分です。

そしてもう一つ、大事なチャンスが来た時、すかさずそれをつかむ勇気も必要です。

海外のことわざで、チャンスの神様には前髪しかついていない、というものがあります。
せっかくチャンスが巡ってきても、怖気づいたり考えてしまったりしているとその間に取り逃してしまうよ、という意味です。

チャレンジは怖いです。
できるかどうか不安で、折角のチャンスを見送りたくなってしまうことさえあります。
けれど、勇気をもって飛び込んでみてください。

険しい道を上った先には、素晴らしい景色が待っているもの。
是非、夢をかなえてくださいね。
影ながら応援しています。