産後の復帰をきっかけに、部署の変更がありました。特に不満に思うような変更でもなく、上司に言われるまま配属を迎え業務につくことに。
しかし、産前までは和やかな雰囲気だった会社が産後は大きく変化していました。
人件費高騰のあおりを受けて無理めな人数で現場をまわすようになり、身体を壊して脱落する者が相次いでいたのです。
そんな中、私も通常の社員2~3人分の仕事を時短という制限のある中でこなすことになりました。
当然仕事が終わるわけもなく、保育園のお迎えで残業もきかないので夜中に持ち帰りで仕事をしました。
全員余裕がなくヘルプを頼める状況でもなく、夜中の仕事と夜泣き対応を続けるうちにある日の朝プツンと何かが切れてしまいました。
「仕事に行きたくない・・・」気がつけば足が一歩も動かなくなってしまいました。化粧をする手も固まったまま言うことをききません。
もう限界でした。精神的にも肉体的にも危機的状況だと判断し、その日はとりあえず休むことに。
仕事は自宅に持ち帰っていたので結局こなしたのできちんと休めてはいませんが、「会社に足を運ぶ」ということ自体がどうしてもできなくなっていたので、家にいられるだけでもかなり楽に感じました。
業種的に給料も少なく、サービス残業が当たり前の体質
新しい上司が無制限に働くタイプ
会社のメンバーはみな疲れ切っていたと思います。業種的に給料も少なく、サービス残業が当たり前の体質になっていました。
というのも、配属先が変わったことで上司も変わり、その新しい上司というのが「無制限に働くタイプの昔ながらの企業戦士」だったのです。
他の社員は週休1~2日でしたが、その上司はほとんど休みをとりません。
彼に仕事の多さを訴えると、「あなたは休めるだけまだまし」と言われたものです。
確かに上司の状況からしたら私の待遇で文句を言うなんて考えられないのかもしれません。
上司はもっと頑張ってると言い聞かせるうちに身体はどんどん疲弊
しかし、「周りの人たちも頑張ってる、上司はもっと頑張ってる・・・」と言い聞かせるうちに身体はどんどん疲弊。
子どもからうつった風邪が数か月経っても治らなくなっていました。
そんな中でも仕事は雨のように次から次へと降ってきます。
もはや自分の状況、体調を考えるひまもなくひたすら目の前の作業をこなすだけになりました。
咳が止まらずふと気づくと口の中が血の味に
疲れもピークなのでミスが多くなり、あがけばあがくほど前に進めないような感覚に陥りました。
家族にも仕事で無理しすぎだと言われてはいたものの、そんな声さえ耳に入りません。そんなある日の朝、咳が止まらずふと気づくと口の中が血の味に。数か月におよぶ咳のしすぎで喉が裂けていたようです。
それをきっかけに「もう休みたい・・・」と限界を迎えてしまいました。
うつ病やノイローゼと言われるような状態だった
風邪をこじらせて肺炎
その日は休むことにしました。とりあえず病院へ行き、レントゲンなど詳しい検査を行いました。
結果は「肺炎」。風邪をこじらせて悪化させてしまっていたのです。
薬を処方してもらうと、何も考えず寝ました。
いままさに仕事をしているであろう同僚や上司のことが気になりましたが、今は一刻も早く身体を治すことの方が大事だと割り切り、ひたすら寝ました。
眠ったあとは自宅に持ち帰っていた仕事をこなしました。
休むことへの罪悪感があった
休むことへの罪悪感があったので、それを消すための作業のような感じでした。
咳がふたたび出てきたらまた寝る、の繰り返し。保育園から子どもが帰ってくればお世話が待っているので、会社を欠席しても正直あまり休んだ感じはありませんでした。
それでも家で過ごしていられるという状況が、なんとなく「ホッ」とする感じでした。
会社へは肺炎であること、手持ちの仕事は自宅で最小限やって送信すると伝え、その後も数日休みました。
会社に行く気力が残っていませんでした
しかし、肺炎が良くなってきても会社に行く気力が残っていませんでした。「もう辞めたい」。
それだけしか考えられませんでした。今思うとうつ病やノイローゼと言われるような状態だったのかもしれません。
その時感じたのは「こうなるならもっと早く休めばよかった」ということです。
会社に行きたくない時のまとめ
社会人として、会社を安易に休むのはタブーという風潮は根強くあるのではないかと思います。
しかし、こまめに有給をとるなどしっかりと休むことは、より長く働くために必要なのではないかと思います。
ノイローゼ状態をひきずり、その後も行きたくない病に毎朝悩まされつづけ、結局私は別の業種に転職を果たしました。
まじめに会社を休まず勤めなければと考えていましたが、適度なガス抜きも仕事の一部。無理をして使えなくなるくらい壊れてしまうなら、タイミングを見さえすればたとえズル休みでもいいのではないか、と今では考えています。
実際、長く勤務している方はうまく休んでいる人が多いような気がします。登山やスポーツ観戦で発散し、また働く意欲をたかめる。
私は真面目さだけを自分のとりえのように感じてしまっていたので、身体や心を休めるということにまで気が回らなくなっていたのでしょう。
あまり胸を張れたことではありませんが、今は上手にサボって働くように心がけています。
人間のキャパシティは人それぞれで、たくさん働ける方もいれば私のようにすぐ力尽きてしまう人もいるでしょう。
たくさん働けるのは素晴らしいし尊敬しますが、私が真似してもすぐに身体がついていかなくなります。
たくさん働くよりも、自分に合った仕事のリズムをつかむことを大切にしていきたいと考えています。