会社に行きたくない時の体験として、うつ病に伴う身体症状として次のものが挙げられ、不眠食欲不振、全身倦怠感、痛み(腰痛、肩こり・肩の痛み、頭痛)、めまい、胃腸症状(下痢や便秘)、発汗これらの症状は、うつ病以外のどんな病気にも見られがちで、患者さんによっては抑うつ気分や興味の喪失などの精神症状よりも、身体症状が前面に出ている場合が多くある。
また、うつ病は、糖尿病や高血圧といった生活習慣病、更年期障害、脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病など、様々な疾患に合併することが多いことも知られていいます。
うつ病の比較的初期の症状として、「不安感」はほとんどの患者さんに見られる。うつ病によっていろいろな症状が重なり、今までできていたこともままならなくため、「自分はこのままどうなってしまうんだろう」「周りからどう見られているんだろう」「一人でいることがたまらなくつらい」といった不安が次々とおそってきました。
集中することができなくなるため、仕事や家事が以前のように進まなかったり、できなくなったりしてしまいまして、また、決断力が低下し、あれこれと考え込んでしまうために何も決められない状態に陥ることがあり、仕事には行きたくないとなりました。
これまで楽しんできた趣味や活動に、興味や喜びを持てなくなった状態
人が変わってしまったように思えるほど
「何をしても面白く感じない」、「人と話すのが好きなのにかえってうっとうしく感じる」、「毎朝読んでいた新聞を読む気になれない」、「週末は必ずゴルフの練習に行っていたがつまらなくなって行けない」など、関心や欲求が著しく低下する。
その変わりぶりは周りから見ると、人が変わってしまったように思えるほど。うつ病では、不眠がよくあらわれる。
夜中あるいは早朝に目が覚めてしまうことがある
寝付きが悪くなるばかりでなく、夜中あるいは早朝に目が覚めてしまうことがある。特に、自分が起きるつもりではない早朝の時間帯に目が覚め、そのあと眠れないことが頻繁にある(これを早朝覚醒という)。
このため熟睡感がなく、体調も優れないため、すぐに起き上がることもできない。
患者さんによっては反対に、夜の睡眠が極端に長い、あるいは日中も寝てばかりいるといった過眠になるケースもある。
生命を維持する上で欠かすことのできない食事と睡眠に異常をきたしてしまうため、生きるためのエネルギーがどんどん低下する。
どうしても気力が湧いてこないといった状態
何もしていないのに、ひどく疲れを感じたり、体が非常に重く強い倦怠感を感じる症状が見られる。
気力が低下して何もする気がおきず、洋服を着るといった日常的なことにさえ時間がかかってしまう。
本人は、何とかしなければならないと気持ちは焦るが、どうしても気力が湧いてこないといった状態になってしまい出勤する意欲が湧きませんでした。
治療は、うつ病の初期治療である「急性期治療」
根気強く治療を継続することが大切
治療は、うつ病の初期治療である「急性期治療」で、症状がほぼなくなったが、まだ完全には社会復帰できない「寛解」の状態にもっていきます。
急性期治療においては、症状はよくなったり悪くなったりを繰り返しながら改善していきます。
日々の症状の波に一喜一憂せず、根気強く治療を継続することが大切です。また、急性期治療により症状が完全に消失する直前や、あるいは寛解後すぐに症状がぶり返すことがあります。
この状態を「再燃」と呼びます。急性期治療の目安は、一般的に3ヶ月くらいといわれていますが、患者さん個々の状態によりさまざまで、半年以上かかる場合もあります。
すぐに社会復帰が可能なわけではない
寛解したとはいえ、すぐに社会復帰が可能なわけではありません。再燃を起こしやすい状態であることは変わりないため、治療の継続が必要です。
これを「持続療法」といい、寛解後さらに3~4ヶ月くらい治療を継続して再燃を防止します。持続療法を経て、再燃が起こらない状態となった時点で、復職などの社会復帰を徐々に果たしていきます。
うつ病は、再燃・再発が非常に多く、それらを繰り返す
うつ病を発症する前の状態に戻ることを「回復」といいます。しかしながら、「再燃」と同様に、回復後でもうつ病を再び発症することがあります。
これを「再発」といいます。うつ病は、再燃・再発が非常に多く、それらを繰り返す患者さんが少なくありません。
このため、再発を予防する意味でも、回復を果たした後も治療を継続した方がよいと考えられています。
会社に行きたくない時のまとめ
うつ病になってしまったときは無理に働くことなどできません。まずはストレス解消して治すことです。
回復後の治療は「維持療法」とよばれ、おおよそ1~2年くらい治療を継続します。このように、うつ病の治療は非常に長期に渡るものであり、再燃・再発を起こしやすいため、病気と焦らずうまく付き合っていくことが大切です。
このため患者さんの周囲の方(家族や友人、上司・同僚など)の病気に対する理解が必要となります。
どの病気に関してもいえることですが、薬の効果には個人差があります。
うつ病の薬にも個人差があり、効き目や副作用も異なります。担当の医師と随時相談および確認をしながら、なるべく副作用が出ずに効果が得られる治療を心がけましょう。
そして担当医師の指示に従い、その指導のもとで服用しなければなりません。
医師の指示に従わず、勝手に服用を止めたり、量を増減するようなことは絶対にしてはいけません。医師の指示に従い、毎日しっかりと服用することが重要です。
抗うつ薬は、服用してから効果が現れるまでには1~2週間ほどの時間が必要なため、少し気長に、主治医の注意をよく理解して服用することが大切です。
通常は、少量から開始して徐々に体に慣らしていき、様子をみながら量を増やしていきます。
一般的に、飲み始めの時期には、胃がムカムカしたり、気分がイライラするなどの症状が出ることがあり、患者さんに合った薬であるかどうかを見極めるために通院の間隔を短くする(初診から1週間後に再診)ことが多いとされています。
あまり神経質になりすぎてもいけませんが、服用開始から気分がすぐれなかったり、気分が悪くて我慢ができない場合は、再診日を待たずに主治医に相談してください。
量を増やすタイミングは患者さんによって異なるため、1~2週間毎、あるいは1~2ヶ月毎に増量することがあります。
なお、抗うつ薬の効果を見極めるためには、通常で2ヶ月程度の服用が必要です。
効果のレベルも患者さん個々で差があるため、少し気長にお薬と付き合うくらいの心構えが必要です。