育った環境のせいでパワハラするようになった上司の心理と対策方法




産休に入る社員さんの代理で、一年ほど働いた職場の上司の話です。

とにかく「俺は頭がいい」「俺の思い通りにやらない奴は気に食わん」という人でした。

機嫌のいいときは優しくしてくれたんですが、何か嫌なことがあると私に当たってきました。

私はただ単に引き継いだ仕事をしているだけなのに「なんでお前がその仕事をしてるんだ!それはお前の仕事じゃない!!」と大勢の前で怒鳴られたりしました。

「産休に入った社員さんから引き継いだことをやってるだけなのに、何で私怒られてるの??」と唖然としました。

でも、次の日になると「ねぇ○○さん、あとでちょっと渡したいものあるよ。」と言われて、こっそりと果物を頂きました‥。前日怒鳴ったことを反省したんだな‥と思いました。

でも、また機嫌が悪くなれば怒鳴る、机を叩く、私が持っていったファイルを投げる‥などなど怒りを抑えられないことが多々ありました。

毎日、その上司の機嫌を気にして仕事していました。ゆっくりした気持ちで、業務に集中して仕事できる時はあまりありませんでした。上司が出張などでいない時くらいです。

機嫌がいい時はいい時で、うんざりすることがありました。知識自慢です。自分の頭の良さ、知識の幅広さ、深さの自慢を延々と聞かなければなりませんでした。

ライバル社員の失敗談や悪口、自分がその社員よりどれだけ優れているか、そんな話ばかりでした。

今も血の繋がっている家族はいない状況

当たりやすい格好の標的

産休の代理として入った私は、その業界の知識もなく、当たりやすい格好の標的だったと思います。周りの人からもそう言われました。

そのパワハラ上司は、上の立場にいるとは言え周りの社員より後に入ってきた人だったのです。なので自分より後から入ってきた私は、唯一怒鳴れる、当たれる存在だったと思います。

複雑な家庭環境

また、その上司の生い立ちなどを少しずついろんな社員さんから聞いたのですが、複雑な家庭環境だったようです。

その上司には兄弟が何人かいたそうですが、兄弟の中で自分だけが母親が違ったそうです。母親が後妻として入った家に元々いた子供たちが、自分のお兄さんやお姉さんになったそうですが、母親が早くに亡くなり、血の繋がっていない父親と兄弟と自分‥。

居づらかったのではないかなと思います。また、結婚もしましたが奥さんには連れ子がいました。

そして、結局その上司と奥さんの間にはお子さんは産まれなかったようで、今も血の繋がっている家族はいない状況なのです‥。

虚勢を張っている

それでももちろん幸せに暮らすことは可能ですし、そのようなご家庭は他にもたくさんあると思います。

でも、上司の様子を見ているとどうやらそういったことが関係して気持ちが落ち着かないのかな?と思うことがありました。

「俺は頭がいい!」など自慢したがるのも、虚勢を張っているのかなと思いました。

ただただ母が恐怖でした。暴力ももちろんありました 。

子どもの時にあまり良い記憶がなく

家庭環境のせいでパワハラをするような性格になってしまったのかな、と思うととにかく「可哀想」というのが一番でした。

実は私自身も子どもの時にあまり良い記憶がなく、その記憶と体験に縛られているからです。

私の家族はいわゆる複雑な家庭でも何でもなく、父と母の実子でした。ただ、父親は仕事でほぼ家には居らず、専業主婦の母親が子育てを100%任されている感じでした。

言葉の暴力

母も一人で大変だったのかな、と今なら思えるのですが子どもの私にはそんなことは思えず、ただただ母が恐怖でした。暴力ももちろんありましたし、言葉の暴力もありました。

母に怒られないように怒られないように、ただそれだけを考えて毎日生活していました。

なのでその上司も、きっと自分一人だけが血が繋がっていないことで、毎日縮こまって生活していたんじゃないかなと想像しました。

怒鳴られても何とも思わなくなりました

私は今は結婚し、子どももいて幸せに暮らしていますが、その上司は結婚後も結局自分と血が繋がっている家族を持てないままだったんだな、と思うと、もしかして今現在も縮こまって生活しているのかな?と思うこともありました。

そういう風に考えるとやはり「可哀想」が一番に頭に浮かび、怒鳴られても何とも思わなくなりました。

 パワハラ体験談のまとめ

私の場合は実際にパワハラが無くなったことで解決したわけではなく、その上司の生い立ちを聞いて同情することで、パワハラされても何も嫌だと思わなくなったことで解決しただけなので全員に当てはめることは難しいかもしれません。

ですが、「何でこの人はこんなことしか言えないんだろう?何か嫌なことを経験してきたのかな?」と考えてあげるのもいいかもしれません。

私の上司のような複雑な生い立ちや今の家族関係があるかどうかは分かりませんが、パワハラなどをしてしまう人はやはりどこかで同じようなことをされた、とか、何か辛い経験をしているのだと思います。

または発達障害のように人の気持ちを理解できなかったり、自分の気持ちを抑えられなかったりというのもあるかもしれません。

そのような悲しいことに縛られている人には、会社が支援してあげてほしいです。例えばカウンセリングを受けられるようにしてくれたら、その人も自分の気持ち、人の気持ちに気付くことが出来るようになるかもしれません。

パワハラをするような人でも、やはり人に好かれたい気持ちはあると思います。私に果物をくれたとき、「あぁ、こういう人でもそんなことするんだな」と妙に親近感が湧いたのを覚えています。

その人だって、本当はパワハラなんてしたくないはずです。